札幌チカホイベント「インクルージョンは子どもたちの笑顔から」開催報告
時価益々ご清祥のこととお喜び申し上げます。
さて、去る5月6日・7日、札幌地下歩行空間の表記イベントは、おかげ様で成功裏に開催させていただくことができました。
ご参加、ご支援・ご協力いただきました皆様、まことにありがとうございました。
GW最終日と連休明け初日の連日開催、子どもから大人まで大変多くの皆様にご参加いただき、両日とも来場者は途切れることなく、「子どもたちの笑顔」が優しさの波紋となって、たくさんの感動と笑顔の花が終始満開に咲き誇りました。
札幌初となるこのイベントは、まさに子どもたちの笑顔から広がるインクルージョンの世界観を余すことなく体現することができ、やさしさと笑顔に包まれながら感動をたくさん私たちに届けてくれました。
これも一重に、準備から当日の運営に献身的なお力添えをいただいた皆さまのご尽力のおかげであると、改めまして深く敬意と感謝を申し上げます。
私が札幌に暮らしていた30年ほど前には、「インクルージョン」という言葉は存在すらしていませんでした。現在の日本でも、まだまだ耳なじみがある言葉とは決して言えませんが、今や世界的には当たり前の考え方です。
2006年に国連で障害者権利条約が採択され、日本は2014年に批准して、そこにはじめてインクルージョンという言葉が登場してから、我が国でも福祉の分野では徐々に取り上げられるようになってはきています。しかし、一昨年(2022年)におこなわれた国連の評価委員会で日本政府に示された総括所見では、インクルージョン推進の遅滞の実情に対して、厳しい勧告と懸念が我が国には数多く突き付けられています。
その中で、「インクルージョン」という語の使われ方についても、日本政府の和訳は、「適切ではありません」と懸念が国連から指摘されたところです。これは我が国の現状を明確に表しているに他ありません。
つまり、未だ日本には、「インクルージョン」という言葉を明確に説明するに足り得る単語はもとより、環境も社会システムも、事象も事物も…、世界標準に比して、どこにも存在していないという現実を表しているのです。
これは決して嘆きではありません。これが我が国日本の至極当たり前の現状なのです。
大切なことは、これからの先。今を生きる私たちが、この現状をしっかりと受け止めて、未来を切り拓いていくことなのです。
「世の中をインクルージョンにすること」
これは私が「インクルージョン」と出会った20年以上前からぶれることない私の夢です。
その頃は、まったく耳なじみがないことは元より、口にすることさえはばかられてしまう程、理解してもらえる土壌は皆無でしたが、先日のチカホイベント来場者の皆さんように、現在は一人一人の心から確実に変わってきています。
障害があってもなくても、多種多様な子どもたちが分け隔てなく一緒に笑顔で遊んで輝いている姿。それを暖かな眼差しで見守る大人たち。そんな姿が当たり前に地域にあふれていれば、社会は必ず変わっていきます。今よりも優しい世の中になっていきます。これがインクルージョンの原点です。
この夢を実現するため、50年・100年要するかもしれませんが、私たちは夢追い続けます。
何卒特段なるご理解・ご協力、継続的ご支援・お力添え、変わらぬ暖かな応援を賜りますよう衷心よりお願い申し上げます。
終わりに、皆々様のご多幸・ご健勝、そして世界中の子どもたちの心に笑顔が広がりますこと、子どもたちの未来社会が心の笑顔でいっぱいとなりますことを切にご祈念申し上げまして、表記開催報告の御礼とさせていただきます。
まことにありがとうございました。
インクルージョン未来推進機構 代表 島信一朗