記
■函館新聞コラム「海峡から 」(8月26日)
◎優しさあふれるまち
先日、インクルージョンを函館市電の超低床型車両「らっくる号」で体感する乗車体験会を取材した。企画したのは、インクルージョン未来推進機構代表の島信一朗さん。
インクルージョンは直訳すると包括、包含の意味になるが、さまざまな違いが自然に混ざり合う状態を表す概念。違いを尊重し、誰一人置き去りにしない。そこに障害、健常の区別はなく、マイノリティー(社会的少数派)という言葉も存在しない。
車いす利用者や盲導犬を連れた視覚障害者ら、さまざまな人が乗車。幼児や児童が楽しそうにはしゃぎ、大人たちが優しく見守る。
島さんは「子どもたちが笑顔でいる。優しさがあふれる世界。この状態がインクルージョン」と話した。私自身も取材の意識がなく居心地が良かった。市民の意識にインクルージョンが浸透すれば、函館はもっと活力あるまちになると実感した。(鈴木潤)
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◆2024.8.26 函館新聞 記事抜粋